ハイパーインフレーションの作品情報
書籍情報
タイトル | ハイパーインフレーション |
著者 | 住吉九 |
連載 | 少年ジャンプ+ |
出版社 | 集英社 |
連載開始 | 2020年11月27日 |
Amazonレビュー | ★4.6 / 5 | 506件(1巻・2022年12月現在) |
掲載情報
本作品は一部無料で読むことができます。
2022年12月現在、ハイパーインフレーションを連載している少年ジャンプ+で序盤の数話と最新の数話を無料で読むことができます。それ以外の話を読むにはポイントの購入が必要なため、お試しで読んでみて面白いと思ったら単行本の購入を検討してみてください。
ハイパーインフレーションのあらすじ
Comiewタグライン
奴隷狩りの襲撃により姉が連れ去れらた主人公のルークは、襲撃の際に昏倒とした際に生殖能力と引き換えに体内から紙幣を生み出す能力を与えられる。しかしルークが生み出せる紙幣には、紙幣番号が全て同じであるという重大な欠点があることが判明する。様々な制約に縛られながら主人公は奴隷解放を目指す。
Amazon作品紹介
帝国の奴隷狩りによって、両親を失った少年ルーク。今度の奴隷狩りでは最愛の姉がオークションに出品されてしまう!! 絶望のドン底でルークが手に入れたのは、『体からカネを生み出す能力』だった!! オークションに参加するルーク――余裕で姉を落札か!? だが、この力には“致命的な欠陥”があって……!? カネが、生命が、怒りが、暴力が、欲望が、『加速≒インフレ』し――物語はハイパーインフレーションを巻き起こす!!
Amazon 作品紹介より
ハイパーインフレーションの心に残ったワンシーン
「コレットよぉ--ハイパーノートをバラまかれるとそんなにやばいかな--たしかベルク札って帝国銀行で金貨と兌換できたよな?」
ハイパーインフレーション 4巻
「ヨゼン--それは金本位制というの--ベルク札にはこんな文言がある--この紙幣を持参した方に額面と同じだけの金を支払うことを約束します」
このくだりをTwitterで見たことで本作品に興味をもって購入をしました。
偽札が世の中に出回るとなぜ経済が崩壊するのか、ということを作中の登場人物の掛け合いの形で、丁寧に説明をしてくれるシーンです。
新しい切り口の経済漫画が出たなということで、読み始めたところすぐにハマってしまった。経済漫画だと思って購入したら、いい意味で期待を裏切られる結果となったのですが・・・。
ハイパーインフレーションの感想
この本は心理戦・頭脳戦漫画です。
しかし主人公のルーク、商人のグレシャム、帝国のレジャットの3人の狂人により、物語は破天荒で先を全く読むことができないカオス状態が続きます。
この3人はそれぞれ全く異なる目的を持ちながらも、時に手を組み・対立をしながらそれぞれを出し抜こうと動いていきます。さらにこの3人はいずれも異常者。
金に貪欲なキャラクターというのはそんなに珍しくはない設定ですが、このグレシャムは作中の行動が金第一主義で一貫しており、金のために裏切り続けるという意味で徹底的です。
ひょっとすると1巻に1回ぐらいのペースで裏切ってるんじゃないだろうかと錯覚するぐらいに清々しく金のために裏切ります。
一方、帝国に所属するレジャットは、自身の正義のためならばどのようなことでも行うタイプの人間であり、偽札を生み出しルークの能力を危険視し、付け狙う。しかし、その一方でルークという人間に対しては好意を抱いているのか、時々怪しい言動をとります。
最後に人格的には1番まともなルークは、偽札を生み出している間は知能が下がるという謎の設定により、恍惚の表情で体中から札を吹き出しながら砦を歩き回るなど異常な行動をとる等、なかなか残念な主人公だ。
作画に関しては人の顔のアップの大コマを多様するが、この異常性を全力で引き立てている。本気で描いているのか狙って描いているのかおそらくは後者だろうが、全面に映し出されるキャラクターの表情は思わず笑ってしまう。
これまでハイパーインフレーションがいかに狂った漫画であるかということを中心に話してきましたが、あくまでもこの漫画は心理戦・頭脳戦漫画です。
一定の制限のもとで偽札を生み出す力を持つ主人公ルークがそれを武器に、帝国に対してある条件を呑ませるという目的をいかに達成するかという話で、経済も絡み非常に難しいテーマであるものの、作中でのわかりやすい解説もあり、非常に面白く読めるし先が読めないいい漫画です。
この書評は5巻時点で書いているので、まだまだこれからも続いていくことが非常に楽しみな作品です。
ハイパーインフレーションの著者
著者は住吉九氏。商業誌への連載としてはこのハイパーインフレーションが処女作だと思います。
ちなみにその前の読み切りのヴァルハラ戦記はジャンプルーキーで無料で読むことができます。
こちらも面白いので是非読んでほしいと思います。
ハイパーインフレーションもこの記事を書いている時点で第5巻が出たところで、これからも続くので今後も楽しみな作家さんです。
ハイパーインフレーションはこんな人におすすめ
少し狂気を感じる部分はあるものの、DEATH NOTE、HUNTER x HUNTER等の頭脳戦が好きな人は楽しく読めるのではないかと思います。
また、SNSでもよく見かけるようになってきて気になっている方もいるのではないでしょうか、SNSで切り取られて貼られていたそのコマは特に目立つごく一部のシーンの切り取りではなく、ハイパーインフレーションの中のありふれた一コマにすぎません。SNSを見て少しでも良いなと思った方は読んで損はない作品です。
Kindle版は以下のAmazonリンクから購入することが可能です。
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