乱と灰色の世界の作品情報
書籍情報
タイトル | 乱と灰色の世界 |
著者 | 入江 亜季 |
連載 | ハルタ(Fellows!) |
出版社 | KADOKAWA |
連載開始 | 2008年12月 |
Amazonレビュー | ★4.7 / 5 | 106件(第1巻・2022年12月現在) |
掲載情報
本作品は一部無料で読むことができます。
2022年12月現在、コミックウォーカーで読むことができますが、残念ながら読めるのは第1話のみとなっています。1話だけだと乱と灰色の世界の本当の面白さはなかなか伝わりにくいのが残念ですが、雰囲気は掴めると思うので、まずは一度読んでみて、面白いと思ったら購入を検討してみてください。
乱と灰色の世界のあらすじ
Comiewタグライン
魔法使い一家の末っ子、10歳の少女はどこか世間に馴染めない、魔法で大人の女に変身をして街に出ている間に、性悪な御曹司との間に恋に落ち、二人は人間的な成長を続けていく。その最中、一家の住む灰町に封印された悪意が滲み出し、人間を脅かす。
Amazon作品紹介
10歳の女の子、漆間乱(うるま・らん)には秘密があった。彼女にはサイズが合わない、だぼだぼのシューズ。これを履くと、みるみる変身! グラマラスな美しいオンナへと成長できる。「子どもはイヤ、早く本当の大人になりたいな」。ところがある日、変身後の姿のまま、乱は初恋に落ちてしまった! ……地方都市・灰町を舞台に、4人の魔法使いに起こった4つの大事件を描くマジック・アンド・ライフ。灰町に隠れて暮らす漆間一家に、幸せの日々が訪れるのはいつになることやら。
Amazon 作品紹介より
乱と灰色の世界の心に残ったワンシーン
始まってしまったら後戻りできない人生だ--
思うように生きなさい--乱--
わしが許したものを静かも陣も口出しはさせん--
これからは--自分で自分を育てるんだ、大変だぞ
乱と灰色の世界 7巻
大きな争乱が明け、主人公の漆間乱は精神的にも大きな成長を遂げることになります。今まで勉強や修行を嫌い皆に甘やかされて自由奔放に過ごしていた乱が、親元を離れ、師匠と共に修行の旅に出たいと父親の全に懇願をします。
それに対する全の台詞からの引用です。
母の静も兄の陣も、当然に乱のことを溺愛しています。陣は妹をできるだけ庇護下において守りたいという兄の愛から、乱の旅立ちに強い反対を見せるのですが、普段は乱を陣以上に溺愛している父親が将来のために苦渋の決断をする、父の愛をとても強く感じる感動的なシーンとなります。
乱と灰色の世界の感想
乱と灰色の世界は序盤は秘密のアッコちゃんのような、乱という少女が魔法の力を使って、少し大人びた体験をするという流れの中で、乱の家族や家に出入りをする人々、学校での関係や凰太郎という大人の男性との出会いを通じて、成長をしていく物語です。
しかし、後半になるにつれて「骸虫」と呼ばれる存在が乱の住む街に現れてからは物語のトーンは一転し、乱の家を拠点にして街に魔法使いが集まり、骸虫との戦いが始まります。
戦いとは言ってもいわゆるバトルもののような展開になるのではなく、言葉の通じない群れとしての侵略者との戦いが始まります。その中で登場人物が命を落としたり等、今までとうって変わってやや陰鬱な展開が続くことになります。
しかし、その戦いの中で人間関係にも大きな変化が起きて、新しい繋がりなどが生まれていくことを通じて作中の登場人物の存在が生き生きと描かれており面白く読むことができました。
乱と灰色の世界の著者
著者の入江亜季氏は元々コミックビームを中心に活動をしていた作家で、コミックビーム時代に連載していた「群青学舎」などの漫画が有名です。
その後、fellows!(2013年からハルタに名称変更)が創刊され、2008年12月に刊行されたfellows!の2号目から始まった長期連載を始まった長期連載がこの「乱と灰色の世界」となります。
また、乱と灰色の世界が完結後には、同じくハルタで、「北北西に曇と往け」を連載しています。
乱と灰色の世界はこんな人におすすめ
乱と灰色の世界は、女性作家らしい、可愛らしい絵柄でありつつもそこで描かれる人間ドラマは、男女問わずおすすめできる作品です。
全7巻とコンパクトにまとまっている作品ではありますが、登場人物が多く、またそれぞれのキャラクターがしっかりと描かれているので、非常に濃い密度で作品にのめり込むことができます。
ファンタジーあり、バトルありな作品ではありますが、何よりも良質なヒューマンドラマを求める方にぴったりな作品です。
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