アカメが斬る!の作品情報
書籍情報
タイトル | アカメが斬る! |
著者 | タカヒロ (著), 田代哲也 (著) |
連載 | 月刊ガンガンJOKER |
出版社 | スクウェア・エニックス |
連載開始 | 2010年4月号 |
Amazonレビュー | ★4.3 / 5 | 67件(第1巻・2022年12月現在) |
掲載情報
本作品は一部無料で読むことができます。
2022年12月現在、月間ガンガンJOKERで1話を丸ごと読むことができますが、残念ながら続きは公開されてはいませんでした。また、ピッコマでは5話まで無料で公開されていました。まずはお試しで読んでみて面白いと感じたら購入を検討いただくのが良いと思います。
アカメが斬る!のあらすじ
野心に燃えて上京した辺境出身の青年であるタツミは、上京早々に貴族に捉えられ遊び半分に殺されそうになってしまう。その窮地を暗殺集団ナイトレイドに助けられたことをきっかけに、ナイトレイドと共に革命のための激しい戦いに身を投じることとなる。仲間達や敵対組織である帝国の敵達との出会いと別れを通じて心身共に成長しながら帝国の革命を目指す物語。
アカメが斬る!の心に残ったワンシーン
「負け…だ———死ぬとする」
アカメが斬る! 15巻
次々と敵味方が倒れていく最終決戦。その最終局面における最強の敵、エスデスの最後の台詞。
全15巻のこの作品は最初から最後までとても読ませる作品で、敵味方とさまざまな人物に焦点があたり、そして容赦なく死んでいきます。
本作品のキャラクターは誰も彼もが個性的でとても魅力的に描かれているけど、このエスデスは一際強い印象を放っていました。
本作品には帝具という特殊な武具が存在します。
この帝具は傷さえつければ必ず相手を死に至らしめる「一斬必殺 村雨」や、消えない炎を吐き出す火炎放射器「煉獄招致 ルビカンテ」等のように通常、対人・戦術兵器としてずば抜けた威力を誇り、作中のキーアイテムとなります。
特殊な能力とそして固有の奥の手を持つ帝具とそしてそれを使う帝具使いは、敵味方の軍の中で重要かつ貴重な戦力として扱われていますが、あくまで軍を率いる将軍や相手方のキーマンを暗殺する等の局地的な戦力を期待されており、戦略そのものを変える力までは有してはいません。
ただしこのエスデスを除いて、です。
彼女は自身の帝具である「魔神顕現 デモンズエキス」を完璧に使いこし、巨大な氷柱を飛ばす・浮く・氷の軍隊を生み出す・時間を止める・国土全体を大寒波で覆う等、規格外の力でやりたい放題。
帝国の腐敗の元凶である大臣に加担することで、帝国の国力を落として周辺国の反乱を誘発し、戦争を楽しむ。性格はその名の通りとてもサディストで、中国、秦の将軍、白起のごとく苛烈に敵兵を殺して軍を勝利に導く戦争マシーンのような女将軍です。
一方で戦場では自軍の兵達と食事を囲む、部下の死に感情が揺れる、そして主人公であるタツミに恋をする等、人間味あふれる魅力的なお姉さんでもあります。
最終局面で、多くの反乱軍の帝具使いに囲まれながらも圧倒的な強さで猛威を振るったエスデスが、誰にも理解されないままに、美しく散っていく様はとても心揺さぶられるものがありました。
アカメが斬る!の感想
ジャンル的にはファンタジーに分類されるこの作品。今まで見た数々の作品の中でも、ずば抜けて強固な世界観で支えられています。
全体としての世界観は洋風ファンタジーですが、主人公の属する暗殺集団であるナイトレイドは水滸伝における梁山泊のような組織であり、敵対組織である帝国や、それを取り巻く異民族等の国家情勢はかつての中国国家を彷彿とさせます。
物語の舞台は腐敗した帝国をレジスタンスが打倒するという軍対軍の戦いですが、この帝具は大局をひっくり返すほどの力を持たないため、ストーリーとしては、敵対組織である帝国の要人を帝具を用いて暗殺をしていく暗殺集団ナイトレイド、そしてナイトレイドに所属する青年、タツミを中心に話は進んでいきます。しかし、タツミに限らず、アカメ・エスデスなど様々な人物にスポットライトをあてながら物語が進行する本作品は、まるで水滸伝や三国志演義のようにその世界全体に没入することができる魅力を持っています。
アカメが斬る!の著者
原作のタカヒロ氏は会社代表としてノベルゲームの製作や、「結城友奈は勇者である」などのアニメ原案を手がけてきた凄腕シナリオライターであり、これだけのストーリーを書くというのも納得です。
田代哲也氏の作画ともばっちりハマっている。この漫画に出会えてほんとに良かったと思える作品です。
また、作画担当の方は異なるものの、アカメが斬る!シリーズとして、前日譚である「アカメが斬る!零」や後日譚となる「ヒノワが征く!」も刊行されているので、是非読んでみてください。
アカメが斬る!はこんな人におすすめ
画力・構成共にレベルが高く、万人に十分に受け入れられるとても良い作品だと思います。少しダークな作風や、デフォルメの効いた絵柄もあり、鋼の錬金術師にハマった人は間違いなく虜にするなるはずです。
Kindle版は以下のAmazonリンクから購入することが可能です。
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